Printer PPD

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* プリンタの登録 [#if95522c]

これから登録するプリンタは,研究室に設置されていることの多い PostScript プリンタを想定し,CUPS((”C”ommon ”U”NIX ”P”rinting ”S”ystem)) を通して正しく動作するように登録する方法を述べる.

** GNOME の GUI でプリンタを追加 [#g7b4b12f]
$ sudo gnome-cups-add
とコマンドラインから入力し,パスワードが求められたら,ユーザパスワードを入力する
> (これが有効なのはユーザが wheel グループにも入っている場合.そうでないときは,左上から [システム] -> [CUPS 印刷マネージャ] を選択し,GUI((”G”raphical ”U”ser ”I”nterface)) で [プリンタの追加] を選び,root のパスワードを入れる)

*** ようこそ! [#ja0bf96f]

&ref(gnome-cups-add-welcome.png);

:追加したいプリンタ:| ネットワークに接続したリモートプリンタ

*** ステップ 1/2: プリンタの選択 [#h72e1596]

&ref(gnome-cups-add-step1.png);

:接続:| UNIX プリンタ (LPD重要((”L”ine ”P”rinter ”D”aemon)))
:ホスト名:| ***
:キュー名:| ***

ホスト名・キュー名とも研究室の旧来のメンバーは知っていることが多いので,直接聞いて調べる.

*** ステップ 2/2: プリンタの詳細情報 [#oda1488d]

~このステップでは 3 つの場合分けが発生する.

~登録しようとしているプリンタ特有の PPD((”P”ostScript ”P”rinter ”D”river)) ファイルが

– &aname(installed){すでにインストールされているか};
– &aname(in_the_web){インストールされていないが Web に転がっていてうまくいくか};
– &aname(cannnot_find){それ以外か};

によって場合分けする.
インストールされているかどうかはどの場合でも確かめる必要があるので,まず

:製造元:| 妥当なものを選択する.
たとえば Fuji Xerox は Xerox の登録と,もしあれば FX という項目も確認するのがよい.
:型式:| 登録しようとしている型式が存在するか確認する.

型式の選択の場面で場合分けが発生する.

-~
もしあった場合,選択する ([[すでにインストールされている>#installed]] タイプ).

>&ref(EPSON-LP-9000C.png);&br; EPSON 製の LP-9000C というプリンタを登録したいとき.

>(似た名前であっても,違うなとちょっとでも感じたときは,以下の,Web チェックくらいはしたほうがよい.無理矢理違うものを選択すると,あとでオプションが効かないなど不利益を被る可能性がある)

-~
なかった場合,

>&ref(Brother-HL-5070DN-search.png);&br; Brother の HL-5070DN というプリンタを登録したいとき.近い名前 HL-5070N しか見つからない.
~製造元の Web ページへ行き,プリンタドライバがダウンロードできるページを探す.Linux 系のものがないときは,Windows NT 系 (2000, XP 含) のものを探す.PPD や PostScript といった項目の入っているものを優先する.

-~
ふさわしいものがあった場合,
ダウンロードし,解凍する.Windows 用の場合,実行可能形式 (.exe) になっていることが多いので,unzip や lha x を試す.展開されてファイルがバラバラにならないように,1 段掘り下げてから解凍するとよい.

-~
幸運にも解凍できた場合,
CUPS の GUI 画面に戻り,[ドライバをインストール] を選択し,ふさわしい ppd ファイルを選択する ([[Web に転がっている>#in_the_web]] タイプ).

>&ref(Brother-HL-5070DN-PPD.png);&br; [ドライバをインストール] を選択し,PPD ファイルを選択する.
>&ref(Brother-HL-5070DN-selected.png);&br; 選択し終わってステップ 2/2 の画面に戻ってくると,選択された状態になっている (はず).

-~
ふさわしいものがなかった場合および解凍できなかった場合,以下のように選択する ([[それ以外>#cannot_find]] タイプ):
&ref(Generic-PostScript.png);

>製造元: Generic&br;
型式: postscript printer

:製造元:|
:型式:|
:ドライバ:| 上 2 つを選択すると,自動で選択されていることがほとんど.
おおよそ [標準 (推奨)] もしくは [PostScript (推奨)] といった感じになるはず.

** PPD ファイルの改名 [#zd4bfd8e]

この時点で,CUPS マネージャを開き,
– オプションを選択できる状態だったら,プリンタ名が長いことに我慢すれば,そこそこ使い物になる.しかし,プリンタ名は短い方があとあとの作業効率が上がるので,以下の手順 (3 節分) を行うことをお勧めする.
– オプションが指定できない状態ならば,それは PPD ファイル名に含まれる空白文字が悪さをしている (バグです).予期せぬトラブルを避けるため,および両面印刷などを可能にするため,以下の手順 (3 節分) を必ず行う.

たとえば Generic > PostScript Printer を選ばなければならなかったときを想定して記す.以下,プリンタ名が pr になるように変更するお手本.本来は GUI でできてほしいが,今のところできないので,コマンドラインやテキストエディタで.

$ cd /etc/cups/ppd
$ sudo mv PostScript\ Printer.ppd pr.ppd

** printers.conf の書換 [#x4fd1b70]

PPD ファイルの改名に合わせて,/etc/cups/printers.conf の中の

もしくは

などとなっているところの,PostScript Printer の部分を pr に直す (適当なエディタを使って) (閲覧・書換には管理者権限が必要).

** cups デーモンの再起動 [#c917a063]

$ sudo /etc/init.d/cups restart

** オプションの設定 [#rd69eb82]

ここまでの作業が正しく行われていれば,GUI でもコマンドラインでもオプションの設定はできる.以下,併記する.

*** ユーザ設定 [#d82397bc]

各ユーザは lpoptions コマンドで各プリンタに対する規定値のオプションを設定できる.各ユーザのオプションの設定は,~/.lpoptions に保存される.
– コマンドを叩くなら、たとえば
$ lpoptions -p pr -o Duplex=DuplexNoTumble
とすると,プリンタ pr に対する規定値は,両面印刷 (長辺綴じ) ということになる.
– GUI からも同じことができる.CUPS 印刷マネージャを立ち上げ (デスクトップ左上のメニューから [システム] をたどる) て・・・.
– GUI をコマンドラインから立ち上げたい人は,
$ gnome-cups-manager
とする.

*** root (規定値) 設定 [#sec7a717]

もしあなたが管理者ならば,あるプリンタに対する規定値を設定することができる.この場合 /etc/cups/lpoptions に設定が保存され,ユーザはこの設定の影響を受ける.
– 管理者になって
# lpoptions -p pr -o Duplex=DuplexNoTumble
とする (もちろん sudo を使ってもよし).
– GUI で管理者のアイコンを押す
– GUI を管理者で立ち上げる (sudo を使う)
# gnome-cups-manager

そのほかにも,いろいろなオプションを設定,使用することができる ([[オプションの一例>#s3431d92]] 参照).

* 具体的なプリンタでの設定例 [#r799cb8e]

** [[EPSON LP-9000C>http://www.i-love-epson.co.jp/products/offirio/printer/lp9000c/]] [#accbd16b]

– vender’s ppd が標準でインストール済のプリンタ ([[LinuxPrinting.org のページ>http://www.linuxprinting.org/show_printer.cgi?recnum=Epson-LP-9000C]])
– option にある RIT は,”Resolution Improvement Technology” の略で,「走査線方向の解像度を2400dpi、紙送り方向を600dpiの高精度でコントロール」する技術のことだそうだ.モノクロオプションはどこに・・・?

** [[Brother HL-5070DN>http://solutions.brother.co.jp/hl5070dn_jp/index.html]] [#bdc4311b]

– [[ プリンタドライバ BR-Script (PS)>http://global.solutions.brother.co.jp/Library/ja_jp/download/dlf000111/hl5070dn_jp_1_5.html]] をダウンロードし (~/ にダウンロードしたとする)
– 以下のように解凍する.
unzip 507jpnp.exe
— 注) 日本語が含まれていて,GUI で文字化けを起こすことに対する対処は各自考えよ.
– ステップ 2/2 で「ドライバをインストール」をクリックし,「PPD ファイルを選択してください」のところで,~/507jpnp/PPD/BR5070DN.ppd を選ぶ
– Brother > HL-5070DN BR-Script3J という位置に置かれ,おそらく選択された状態になっているので,そのまま進む (選択されていなければ選択する)

** Fuji Xerox DocuPrint C2220 [#b12f1636]
– [[英語版Windows® 2000/XP用 PPDファイル>http://download.fujixerox.co.jp/postscript/download/w2kengppd.html]] をダウンロードし (~/ にダウンロードしたとする)
– 以下のように解凍し
mkdir wine0604a
cd wine0604a
lha -x ../wine0604a.exe
– ステップ 2/2 で「ドライバをインストール」をクリックし,「PPD ファイルを選択してください」のところで,~/wine0506a/ppd/nt2k/fx22px26.ppd を選ぶ
– FX > DocuPrint C2220 Kanji v3011.106 PS H2 という位置に置かれ,おそらく選択された状態になっているので,そのまま進む (選択されていなければ選択する)

– かなりオプションが豊富!
– 日本語版 ppd だと,文字化けしない限り日本語で説明がついて便利だと思われるが,文字化けするかどうかは未確認.

** [[Ricoh IPSiO NX730N>http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/past/nx/730n/]] [#fa1e1eb9]

– Generic > postscript printer を選択する

* オプションの一例 [#s3431d92]

まずは,
lpoptions -p pr -l
とすることで,登録プリンタ pr に用意されているオプションの一覧が出る.これらのオプションは間違いなく使えると思ってよい.

ほかに,CUPS では,以下のページに示されているようなオプションが用意されている.

– http://localhost:631/sum.html#STANDARD_OPTIONS
– http://www.cups.org/doc-1.1/sum.html#STANDARD_OPTIONS

たとえば以下のようなもの.試したところ,ページ指定はうまくいった; 白黒指定はうまくいかなかった.

– [”横置き”] -o [[”landscape”>http://www.cups.org/doc-1.1/sum.html#4_1_2]]
– [”両面 (長辺綴じ)”] -o [[sides=”’one-sided”’ | ”two-sided-long-edge” | two-sided-short-edge>http://www.cups.org/doc-1.1/sum.html#4_1_3]]
– [ページ指定] -o [[page-ranges=(- と , で指定する)>http://www.cups.org/doc-1.1/sum.html#4_3_1]]
– [nup] -o [[number-up=”’1”’ | 2 | 4 | 9 | 16>http://www.cups.org/doc-1.1/sum.html#4_3_4]]
– [”白黒”] -o [[saturation=”’100”’ | ”0”>http://www.cups.org/doc-1.1/sum.html#4_5_4]]

* 裏紙 (1 度はコピー機やプリンタを通り,劣化した片面白紙) を使う [#used]

Brother HL-5070DN で,普通に紙を入れておくトレイに,裏紙を入れると,かなり高い確率で紙づまりを起こします.手差しトレイに裏紙を,上面を白にして,入れて,
-o Tray=MPTray -o Duplex=None
で印刷すると,結構いい感じに印刷できます.無論,HL-5070DN 用のドライバを入れとかなきゃいけませんけど.

lpoptions -p pr/used -o Tray=MPTray -o Duplex=None
と設定しておくと,
lp -d pr/used foo.ps
で裏紙を使った印刷を指定できます.

* セットで設定を作っておくと便利 [#r1bea088]

lpoptions -p pr/used -o Tray=MPTray -o Duplex=None
lpoptions -p pr/single -o Tray=Tray1 -o Duplex=None
lpoptions -p pr/notumble -o Tray=Tray1 -o Duplex=DuplexNoTumble
lpoptions -p pr/tumble -o Tray=Tray1 -o Duplex=DuplexTumble

デフォルトは
lpoptions -d pr/***
で指定 (*** は適当に!).
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